株式投資の経験がある方なら、チャートを見るのは馴染み深いかもしれません。でも、ビットコインのチャートとなると、少し様子が違って戸惑うことも多いのではないでしょうか。
実は、基本的な見方は株式チャートと同じなのですが、ビットコインならではの特徴もあります。今回は、ビットコインチャートの基本的な見方から、相場を動かす要因まで、実践的な視点でご説明していきます。
この記事のもくじ
チャートの基本：ローソク足の読み方をマスターしよう
まずは、チャートの基本中の基本である「ローソク足」について見ていきましょう。ローソク足は、ある期間の価格の動きを一本の棒で表したものです。株式チャートでもお馴染みですよね。
緑や白の陽線は、その期間で価格が上がったことを示します。反対に、赤や黒の陰線は価格が下がったことを表します。四角い部分（実体）は始値と終値の差を、上下に伸びる線（ヒゲ）はその期間の最高値と最安値を示しています。
これらのローソク足を時系列で並べることで、ビットコインの値動きの歴史が一目で分かるようになります。また、チャートの下部に表示される「出来高」も重要な指標です。出来高が多いときの値動きは、市場参加者の関心が高く、信頼性の高い動きだと考えられます。
相場を動かす要因：押さえておくべきポイント
ビットコインの価格は、様々な要因で変動します。株式市場と似ている部分もありますが、仮想通貨ならではの特徴もあるので、以下のポイントは特に押さえておく必要があります。
まず、需要と供給のバランスです。新規参入者が増えれば価格は上がりやすく、売り手が増えれば下がりやすい。これは基本的な法則です。
また、アメリカの金融政策も大きな影響を与えます。金利が上がると、一般的にビットコインのような投資は敬遠されがちになります。逆に、金利が下がる局面では投資資金が集まりやすくなります。
技術的な要因も重要です。約4年に一度の「半減期」というイベントがあり、これはビットコインの新規発行量が半分になるタイミングです。供給が減るわけですから、長期的には価格上昇要因となることが多いです。
さらに、各国の規制動向にも注目が必要です。特に、ビットコインETFの承認などは、機関投資家の参入を促す重要な出来事として知られています。
チャート分析の実践：テクニカルとファンダメンタルズを組み合わせる
チャート分析には、大きく分けて「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2つのアプローチがあります。
テクニカル分析では、移動平均線やRSI（相対力指数）、ボリンジャーバンドなどの指標を使います。例えば、短期の移動平均線が長期線を上抜けると「ゴールデンクロス」と呼び、買いのサインとされます。逆に下抜けると「デッドクロス」で、売りのサインです。
RSIは、相場の過熱感を見る指標です。70%を超えると買われすぎ、30%を下回ると売られすぎと判断します。ただし、ビットコインは株式と比べて値動きが荒いので、これらの指標も株式ほど正確には機能しないことがあります。
一方、ファンダメンタルズ分析では、先ほど説明した半減期やETF承認といった要因を考慮します。また、マクロ経済の動向や、規制に関するニュースなども重要な判断材料となります。
実際の投資では、これら2つの分析手法を組み合わせることをお勧めします。例えば、ファンダメンタルズ分析で大きな方向性を見極め、具体的な売買タイミングはテクニカル分析で判断する、といった具合です。
ただし、SNSやメディアの情報に振り回されないよう注意が必要です。情報は常に複数の視点で確認し、最終的には自分自身の分析に基づいて判断することが重要です。チャートは便利なツールですが、あくまでも判断材料の一つとして活用することをお忘れなく。
相場分析の基本を押さえて、賢明な投資判断を
ビットコインのチャート分析は、一見難しく感じるかもしれませんが、基本的な見方は株式投資と変わりません。ローソク足や各種指標を理解し、相場を動かす様々な要因を押さえておくことで、より的確な投資判断が可能になります。
ただし、ビットコインは株式と比べて値動きが荒く、チャートパターンが必ずしも期待通りに機能しないこともあります。そのため、テクニカル分析だけでなく、半減期やETF承認といったファンダメンタルズ要因も含めて総合的に判断することが重要です。
様々な情報に振り回されず、自分自身の分析に基づいて冷静に判断を下すことを心がけましょう。チャートは便利なツールですが、それはあくまでも投資判断の一助に過ぎないということを忘れずに。
【注意】投資は自己責任で行ってください。また、記事内容は作成時点のものです。最新情報は各サービスでご確認ください。
